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Model5の機能

  • dvas9900
  • 1月27日
  • 読了時間: 6分

Model5は設計スタートの段階ではModel2Bにアッテネータを付けてボリュームノブを一個だけ搭載した仕様からはじまりました。しかし、実際の運用、ユースケースを考えた時に、それではあまりにも製品として魅力に乏しいものになると思いいたるわけです。


まず、出力端子です。


Model2BはXLR3とXLR4という超硬派の仕様になっており、実際のユーザーからお話を伺っても基本的にXLR4を使うケースがほとんどです。その一方、XLR3を使うために特注のヘッドフォンケーブルをオーダーした熱きユーザーもいらしっしゃいます。


おそらく、そういう方は音質向上の可能性を求めてあえてXL3×2という端子を選択しているわけで、そういう方の為にこそModel2Bがあります。逆に新型としてダウンサイジング&使いやすさを求めたModel5において、その出力端子構成はいささかとんがりすぎでは?と思いました。実際、展示会などでは「Model2Bが欲しいのだけど、6.3アンバランスも使いたいので改造はできないか?」等のお問合せをいただくこともあります。もちろん4.4バランスに関してもその通りです。


私自身が6.3アンバラを使うかと言われれば、ほぼ使うことは無いのですが、展示会でDVASのヘッドホンアンプを知ってもらうためには6.3アンバランスや4.4バランス端子があった方が汎用性ははるかに高いと結論しました。


というわけでModel5の出力端子構成は

1)XLR4バランス

2)4.4mmバランス

3)6.3mmアンバランス

という三系統としました。まあ、市場に多くあるヘッドフォンアンプと同じ構成ということです。

Model2Bの出力回路は正負個別の電力増幅段を有するBTL回路ですから、4.4バランスにするには端子を変更するだけで良いし、XLR3にはGND端子も装備していますので、これを使えばアンバランス接続も簡単に実現できます。


Model2Bでそういう端子構成にしなかったのは納得できる形状の6.3mm、4.4mmの端子がなかったからというお話を以前しましたが、パネル加工を工夫することで、外観的にも納得のいく形にすることができました。


入力端子をどうするか?Model2Bからミニマムの変更ならバランス端子一組で決まりです。が、実際にはRCAケーブルを接続したいケースも多く、例えばバランス出力を持たないデジタルプレーヤやDAコンバータとの接続にはRCA端子があったほうが断然有利です。


Model5の回路はアンバランス入力でもバランス入力でも全く問題なく動作する適用性の高い回路です。ならばRCA端子を併設してしまえば良いのですが、実はちょっと問題があります。単純に併設しただけではRCA端子使用時にネガティブ側の端子が浮くことになり、正確な動作が望めません。RCA接続する場合にはXLR入力のネガティブ側をGNDに短絡しなくてはならないのです。


例えば私が使っているマークレビンソンのNo20.5Lパワーアンプはそのためにアンバランス入力であるLEMO端子接続する場合、XLR端子のネガティブ端子をGNDに短絡するためのショートバーがついています。つまり、LEMO接続時にはそのショートバーをXLR端子刺さないと正常に動作しないのです。


簡単に使ってほしいのに、そういう運用をしなくてはならないのは、どうしても矛盾がある。


そこで、きちんとRCA端子とXLR端子の使い分けができるように入力セレクターを設けることにしました。


要はRCAを選択したときにはXLRのネガティブ端子が短絡するような切替回路を搭載したわけです。切り替えにはModel3と同じON抵抗の小さな半導体リレーを使い、入力から出力まで直列に機械式接点が介在しない接点レス構造を実現しています。


もう一つはゲイン切替です。


Model3でも三段階のゲイン切替機能を搭載しましたが、ヘッドホン、スピーカのどちらのユースケースでも、この機能の有用性は高く、やはり必須と言って良い機能だと思います。


アッテネータの切り替えステップを荒くすれば、省略できる可能性もありますが、それはしたくない。全領域でのステップ幅1dBというのは譲れない部分です。よって、Model5でもゲイン切替機能を搭載しました。


Model5の電圧増幅段はModel3と同じ回路ですから、ゲイン切替は一個の抵抗を切り替えるだけで実現できます。


パネル面に切り替えスイッチを増設することも考えましたが、入力セレクタ、出力端子、アッテネータノブに加え、さらにゲイン切替スイッチを配置するデザインがどうしても納得のいく形にならない。


そこで、入力セレクターにゲイン切替の機能も持たせることにしました。入力切替と同時にゲイン切替も出来るようにすることで、操作性を犠牲にすることなくスマートに機能を実現できたと思っています。ただ、操作の煩雑性を最小限にとどめ、また、実運用上問題のない機能とするために、ゲイン切替はハイ、ローの二段としました。


入力セレクターにはアンプをスタンバイ状態からアクティブ状態に切り替える事実上のパワースイッチ機能も持たせています。背面のACスイッチをONにすると前面のスタンバイLEDが点灯し、入力セレクタでRCAまたはXLR入力を選択するとスタンバイLEDが消灯し、パネル中央のOUTPUT LEDが点灯します。これにより、従来Model2Bにあったプッシュ式の電源スイッチを廃止しました。この辺りはModel3と同じ考え方です。

ここまでは比較的早い段階で仕様が決まり、回路設計、基板設計とも順調に進んでいました。


コンセプト的にも音量調整機能のついた、DVASグレードのヘッドホンアンプとなるに違いないと考えていたのです。


ところが昨年の秋にオールインワンのモックアップモデルを展示したときに、「プリアウトはないのですか?」とお客様に言われました。お客様曰く、スピーカファンのためにModel2を作ったと言うなら、今度はヘッドホンファンがスピーカを鳴らそうと思った時に、スピーカ用のパワーアンプを増設すれば済むようにしてほしいとおっしゃる。


完全に盲点でした。


まったくもってお客さまの言う通りです。展示会の翌日には回路を変更し、新基板の設計をはじめました。こうして、リアパネルにはXLR/RCA入力に加えてXLR/RCAによるプリアウト端子(パネル印字上は単にOUTPUT)を増設しました。


Model2Bの回路はModel3に電力増幅段を追加したもの、と以前説明しました。Model5もまったく同じです。つまり、電圧増幅段から信号を取り出せば、それがすなわちプリアウト出力になります。


もちろん原理的にそうではあっても、実際にプリアウトを搭載するとなると、ヘッドホンアンプとして使った場合とプリアンプとして使った場合、それぞれを最適化する必要があります。


端的には電圧ゲインの変更とそれぞれの負荷が同時に発生しないようにする配慮です。


プリとして使った場合に最適なゲイン設計と、ヘッドホンアンプとして使った場合の最適なゲイン設計は異なります。それを実現するためゲイン切替回路の変更を行い、プリとして使った場合とヘッドホンアンプとして使った場合のゲイン設計をそれぞれで最適化しました。

またプリとして使う場合にはヘッドホン端子から信号がでない、またはその逆の動作となる排他出力機能を追加しています。ヘッドホンを聴きながらスピーカーを聴くことはないわけで、これはModel3でも重要な機能である出力切替機能にほかなりません。


プリアンプとして使う場合にはフロントパネルに増設したプリアウト切替スイッチを操作することで、XLR、RCAのプリアウト出力から同時にプリアウト出力がでます。さすがにこの部分まではModel3のように選択制にはできませんでした。


この機能を搭載することで、Model5はそれ自体で完結したヘッドホンアンプであるだけでなく、スピーカを鳴らす場合のプリアンプとしても機能します。さらにヘッドホン再生を極めるためにはModel5+Model2Bという構成も可能です。そして、ゆくゆくはModel3+Model2Bという構成にグレードアップいただいたとしても、Model5はデスクトップユースとしても使いやすいアンプになっていますので、末永くご愛用いただける。


完璧な戦略だと悦に浸っております(笑)






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