top of page

Model3が重たい理由

dvas9900

OTOTEN2024でModel3のモックアップモデルを展示させていただきました。


展示会の二日前にようやくオーダーしていたパーツが届き、急遽組み立ててギリギリ展示に間に合ったという綱渡り状態でした。


何も機能しないのもつまらないので、東京光音のCPボリュームを組み込みセレクターなしのパッシブプリとして動作するようにしてみました。これは以前のブログでも書きましたね。従来は弁当箱にアッテネータを組み込んだパッシブプリを展示会用に使っていましたが、あれとは比較にならないくらい見栄えはよくなったと思います。


従来のModel1、Model2とまったく異なるデザインテイストであり、特徴的だった左右の放熱器形状のブロックもありません。フロントパネルの両サイドに穴もないし、単純な黒い箱です。しかも奥行きも短いし、高さも幾分低くなっています。

なにより、、、ブラックフェイス!

Model1とModel2の間をつなぐインターフェイスとして生まれてくるModel3ですから、デザインイメージを統一して重ね配置した際のまとまりを考えるのは、これはプロダクトデザイナーとしては当然の話で、マーケティング的にもそうでしょう。


にもかかわらずそれをしない。一体、DVASは何を考えているのか?


実は私の理想とするアンプシャーシは面のパーツを組み立てるものではなく、大きな金属ブロックから削り出し加工で、造られたものなのです。Model1、Model2では残念ながらそこまでの冒険はできず、7枚のパーツを削り出し、それを組み上げました。Model3は一歩進んで上の写真のように4面をアルミブロックから削り出す構造に変更したのです。


だからコンパクトな外観で、しかも中身も入っていないのに妙に重い(笑)会場に来ていただいた多くの方に、実際にModel3を持ち上げてもらいましたが、みなさん「え?なんでこんなに重いの!?」とびっくりされます。


また、昨今のバルキーデザインのプリに一石を投じるよう、できるだけ薄型のプリに仕上げたかった。そういう、もろもろの意図がありこれまでと全く違うデザインテイストのアンプとしてModel3を設計しました。


ブラック仕上げにしたのは試験的な意味も大きいです。従来と同じビーズブラスト+ホワイトアノダイズでCAD上の検討をしてきましたが、試しにシャーシのみブラックにしてみると、これが非常にカッコ良い。で、どの程度の品位で出来るのか、レーザー刻印の色調などを確認するために今回の試作機はブラックにしてみました。立体にするとCAD画面よりもはるかにカッコ良く、仕上げも良好でした。


もう一つ、Model3の大きな特徴は電源を別筐体とした2ピース構造であることです。削り出しシャーシ&多電源トランス&プリ機能の搭載、それらを出来るだけ薄型のシャーシでまとめ、20kg以下で仕上げる。残念ながら、そこに解はありませんでした。


思い切ったデザイン変更に踏み切ったのは2ピースで行くと決めたことも大きな理由です。電源を分離させることで音質的にはメリットとデメリットがあります。メリットはトランスの振動の影響を大きく低減できること、デメリットは電源供給ライン長の増大と、コネクターの追加による音質の劣化です。二律背反にも近い条件ですから設計者の思い入れ次第というが選定理由になる。私は音質的な理由よりも、電源ユニットとアンプユニットを二段重ねにしたときのカッコよさを優先して2ピースにしました。


電源ユニットはアンプ本体と同じ大きさで、もちろん削り出し加工です。こちらは底板を除く五面を一つのアルミブロックから削り出すことになると思います。2ピースの削り出しシャーシとなるとコストはとんでもなく増えることになります。それが最大の悩みです。


機能的にはボリュームは左右独立で非連動という、おそらく非常に使いにくい形を採用しました。これにも理由があって、連動機構を組み入れる寸法的余裕がなかったことと、左右独立のボリュームをいとも簡単にさらっと使いこなす達人域の友人たちの所作を目の当たりにしたことです。全然使いにくそうじゃない(爆)それでも、アッテネーター式にして、比較的簡単に左右のレベルを合わせることができるように配慮はしました。


他の機能については、またブログでお知らせしたいと思います。


閲覧数:287回

最新記事

すべて表示

Comments


連絡先:

​住所:埼玉県深谷市東方町4-15-20

TEL: 080-7420-6494

Email: info@deepvalley-audio.com

© 2022 DVAS合同会社 Wix.com を使って作成されました

​お問い合わせ:

メッセージが送信されました。

bottom of page