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  • dvas9900

Model2の出力とゲイン

更新日:2023年8月14日

お詫び:先に公開した本ブログで低インピーダンス時の出力も32Ω負荷と同一と記述しましたが、正しくは32Ω以下の負荷インピーダンスに対しては最大出力は3.5W以下になります。本文中に加筆修正いたしました。訂正してお詫びいたします。


ヘッドホンアンプには決めるべき様々な仕様があります。IOの端子形状はもちろんですが、アンプの最大出力、さらには適合インピーダンスなどです。最大出力は適合インピーダンスとの兼ね合いで決まってきます。スピーカの例で言うと多くのスピーカが8Ω(最近はもっと低い?)という値が一般的な仕様であるのに対して、ヘッドホンはそれこそ8Ωから600Ωくらいまで広範囲にわたっています。


同じ1Wを得るにも600Ωのヘッドホンと8Ωのそれでは24Vrmsに対して2.8Vrmsと実に10倍近い電圧が要求されます。実際に同じような電圧を印加して両者を聴いてみればわかるのですが、印加されている電力は大きく違うはずなのに10倍も違うほどの音圧差は感じません。ヘッドホンの能率が異なるからですね。そういうこれまでの経験からも、300Ω以上のハイインピーダンス型(と勝手に定義しますが)に対して5Wとか10Wの大パワーは不要と考えました。


最近のヘッドホンで悩ましいのは定格入力とか最大入力、いわゆる耐入力の記載がないことです。昔のヘッドホンではスピーカ同様、耐入力という仕様が明確になっており、どんな製品でもインピーダンスと最大入力は記載されていました。ところがなぜか最近のヘッドホンでは記載されていません。実力はどうなのだろうか?なんて実験してみるような気軽な金額ではないので、いくつかのヘッドホンを実際に聴いて、十分な音圧が出せると判断できる数値を検証していったところ、32Ωくらいのヘッドホンであれば2~3Wあれば十分であるという結論がでました。



最大出力が決まれば、アンプの動作電圧、最大出力電流なども決まります。


多くのヘッドホンアンプが出力表示に32Ω負荷を標準にしているため、Model2もそれにならい32Ω負荷時の最大出力を3.5Wとしました。負荷インピーダンスが大きくなれば最大出力は比例して低下しますが、悩ましいのは負荷が下がった時です。理論的には16Ωになれば7W、8Ωならば14Wになるのが良いアンプとスピーカの世界では言われています。ヘッドホンアンプでもそういう設計はもちろん可能ですが、本当に8Ωで14Wも出る必要があるのでしょうか?そんな出力が出たらヘッドホンを壊しそうです。まあ、スピーカの世界ではスピーカの耐入力をはるかに越えるパワーアンプを組み合わせることも珍しくはありませんが、繊細なヘッドホンに対してそのような扱いはしたくありませんでした。よって、Modle2では32Ω以下の負荷に対してリニアに電流は増加しません。Model2では電流検出型の保護回路を搭載しており、32Ω動作を想定した電流制限がかかります。したがって、負荷インピーダンスが下がれば最大出力は低下します。検出電流は32Ω負荷の最大出力に対して、ある程度のマージンを設けていまので、例えば16Ω時出力が計算通り半分になることはありませんが、電圧ではなく電流制限となりますのでどうしても最大出力は32Ω時から減ってしまいます。


実はこれにはもう一つ理由があります。


Model2の出力トランジスタはダーリントン接続されたデュアルトランジスタなのですが、音質上の理由から、このトランジスタは大型のものではない、どころではなくて、むしろ小型のものです。さらにはシングルプッシュプルですので、最大許容損失がむやみに大きくとれず、結果、大きな電流も流せません。これが低インピーダンス時にリニアに最大出力が増やせない理由です。出力トランジスタの定格上の制約でもあるのです。だったら、もっとPcが大きくIomaxの大きなトランジスタを使えば良いような話なのですが、それではDVASが望む音質を得ることができない。要は必要以上のマージンを得ることを犠牲にして、その代償として高音質を得ていると、そういう設計をしています。

その制約もあり、Model2の最大出力は3.5W@32Ωとなっています。そして、32Ω以下のインピーダンスに対しては前記したようにリニアではないものの、過電流保護のかかる範囲で出力は3.5W以下に制限されます。


ところで実際の使い勝手を考えた場合、最大出力よりもむしろ重要なのはゲインだと思っています。いくら最大出力が大きくても、ゲインが十分でなければ過大な入力が必要であり、逆にゲインが大きすぎれば、ほんのわずかの入力でも音量が大きくなりすぎて、最適な音量を得るのが難しくなります。もう一つ、ゲインと密接にからむのがノイズです。ごく単純に言えば、同じ回路であればゲインの大きなアンプの方が残留ノイズは増えます。特にヘッドホンアンプの場合、スピーカ以上にノイズに気を使って設計する必要があると思っています。


Model2はパワーアンプであり、なんらかのプリアンプを使うことが前提ですので、入力電圧は十分に高いと想定しました。例えばOPアンプを使ったプリアンプを想定した場合、電源電圧は±15V程度はかけているでしょうから、最大出力は10Vrmsくらいは出せるはずです。もろもろを加味してボリューム位置が10時から2時くらいの間でちょうど良い音量になり、しかもちゃんと最大出力までスイングできるよう、Model2のゲインは13dBに定めました。


高性能な完全差動アンプによる電圧増幅段とそれをサポートする強力かつローノイズな電源回路により、Model2の残留ノイズは15uV以下(Aウェイト)です。1W(@32Ω)出力時のSN比は110dB(Aウェイト)以上というローノイズアンプになっています。


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