昨日はフジヤAVIC主催の春のヘッドフォン祭り2024に出展しておりました。
昨年の秋のヘッドフォン祭り2023につづき、二度目のヘッドフォン祭りです。
会場はアクセス最高の東京駅のステーションカンファレンス東京。今回も70社を越える企業の参加があり、展示ブランドは当然、その数を大きく上回ります。
高齢者ばかりのスピーカ中心のオーディオイベントと異なり、年齢層は圧倒的に若く、そして20代でも真剣にオーディオに取り組んでいる若きエネルギーに触れることができる稀有なイベント。単にこちらの製品を見て、聴いてもらう場であるだけでなく、来場者のみなさんから新製品のヒントやトレンドなど、多くの示唆をもらえる貴重な場です。重要なのは、ここに集っている人たちが、皆、ヘッドフォンという魅力ある機器に興味があり、自身が真剣にヘッドホンオーディオに取り組んでいるということです。今回もたくさんの貴重なご意見をいただくことができました。
今回の展示も、もちろんModel2がメインです。
ただ、昨年から続けている展示会の経験から、Model2の魅力をお伝えするためには、相応のソース機器が必須であるということがわかってきました。具体的には優れたUSB入力を有するDAコンバータ、ないしはDACプリが必要ということです。
半分以上のお客様が愛用のDAPを持参され、フェイバリットコンテンツで試聴をします。つまり、それらのDAPから最善の音を引き出し、Model2に伝えるDACやDACプリが展示会での全体の音の印象を大きく左右してしまうのですね。
前回はそういうリサーチが十分ではなく、アナログ接続でとりあえず聴いてもらえば良いだろうと思い、そういうインフラを準備しました。しかし、ことヘッドフォン祭りに際してはそれではダメだということを思い知りました。
今回はスタジオイクイップメント様にご協力いただき、フランスのB.audioの最高級DACプリであるB.dpr EXを貸していただくことができました。このDACプリであればデジタル接続はもちろん、アナログ接続も可能で、ほとんどのソース機器を接続してアナログ増幅またはDA変換をおこない、Model2の真価を引き出してくれます。
ただ、たくさんのお客様をお待たせすることなく、音を聴いていただくには1系統のシステムでは不足であり、どうしても二系統必要です。B.dpr EXがもう一台あればそれで終わりなのですが、さすがに日本には一台しかありません。
さて、どうするか?
いつもModel2の評価に使っているマッキントッシュC52でも、その役割は十分にこなしてくれるでしょう。ただ、展示スペースを考えると、このプリは少々大きすぎます。出来るだけ小型で音質に優れ、多くの機器との親和性に優れた新しいアイテムが欲しい。
いろいろと情報を収集し、その結果、Holo AudioのCyan2を導入しました。
納品されたのはイベントの一週間前。しかも、しばらくはいろいろな準備があり、結局を音を聴くことが出来たのは発送日の前日でした。音を聴いて、このDACは会場で皆さんに聴いていただくにふさわしいクオリティであることがわかりました。組み合わせるアッテネータも秋に使ったものの機内配線を純銀単線化してグレードアップ(笑)
こうして、いろいろドタバタしましたが、二系統のシステムを構築し、当日に臨んだわけです。
350万円という高額モデルであるB.dpr EX、そして廉価なCyan2システム、幸いどちらもご好評いただきました。絶対クオリティではさすがにB.dpr EXに軍配がありますが、なかなか試聴機会のないCyan2も健闘していたと思います。
来場者から質問や問い合わせが多かったのが、実は参考展示していたアッテネータです。
どんなデバイスを使っているのか?発売はいつ?価格は?と、ちょっとこちらが驚くくらいご質問をいただきました。逆にこちらから「これ、製品になったら欲しいですか?」と質問したところ、Model2との組み合わせに配慮されたアッテネータなら、ぜひ欲しいと言っていただいたお客様も何人かおり、こちらがちょっと驚きました。今、プリアンプのModel3を開発しているので、それがあればアッテネータ不要ですよ的な説明もしたのですが、Model3にももちろん興味はあるが、おそらく高額なので安価なソリューションも欲しいと、極めてまっとうなご意見もいただきました。
昨日までアッテネータの製品化など全く考えていませんでしたが、これは考えてみる価値があるかもしれない。
今回のイベントでの一番大きなThink Differentでした。
Model3がパッシブアッテネータになることはあり得ませんが、もしかしたらDVAS製のパッシブプリがいつか出るかもしれません。
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