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マークレビンソンNo32Lに思う

dvas9900

更新日:2023年10月4日

私の愛用しているプリアンプはオリンパスを中心とした5ウェイマルチアンプ側はマークレビンソンLNP2L、マッキントッシュXRT20を中心としたシステム側はマッキントッシュC52です。LNP2Lのことについて書きだすと、止まらなくなるのですが、古今東西で私がもっとも愛するプリアンプがLNP2Lです。


実は今使っているのは私にとって二代目のLNP2Lで、最初に買ったのはもう20年以上前の話で、電源がPLS150、端子類もスイッチクラフトのRCA端子の時代、つまりLNP2LではなくLNP2でした。このアンプは私と同年代のオーディオファイルならご理解いただけると思いますが、まさに夢のプリアンプでした。ハイエンドという言葉が最初に伝えられたのも、LNP2からだったと記憶しています。


精悍で研ぎ澄まされたパネルフェイスとOPアンプによるシンプルな回路、なにより、100万円を越える圧倒的なプライスで、世の中には凄いアンプがあるもんだと、はじめてLNP2を知った中学生の私はびっくりしました。なんで100万円もするのか、もちろん理解などできるわけもなく、こういう製品の存在価値を真の意味に理解するには10年以上の月日が必要でした。


はじめて手に入れたときには天にも昇る気分で、当時愛用していたマッキントッシュC34Vと入れ替えてニヤニヤする日々でした。友人たちはLNP2LやNo32Lなどをもっていましたので、そこに持ち込んでは音の比較をして楽しんいたことも懐かしいです。


なかなかNo32Lの話になりませんね(苦笑)


No32Lが登場したときにもLNP2に負けないほどインパクトがありました。その前身モデルであるNo26も素晴らしいアンプでしたが、価格はその前の時代のML7Lよりも安価でした。だから、マークレビンソンも身近になったな!くらいに思っていたのですが、No32Lはそんな思いを完全に吹き飛ばします。300万円を越えるプリアンプって、気がくるっているとしか思えなかったわけです。

マドリガル傘下になる前の、いわゆるMLAS(マーク・レビンソン・オーディオ・システムズ)時代のプリアンプは、高級パーツをふんだんに使ってはいましたが、筐体は薄いアルミの折り曲げタイプで、価格は高いですが、回路的にも特段の贅を凝らしたという感じはすでありませんでした。センスは抜群でしたけど。対してのNo32Lは物量を十分に投入し贅を凝らしたアンプであったNo26をはるかに凌ぐ超絶な物量を投入していました。シャーシはアルミダイキャストの一体成型、電子ボリュームまで含めたフルバランス増幅段、ACーDCーAC方式の左右独立クリーン電源などまさに時代のカッティングエッジ、King of Highend でした。


私自身のマークレビンソンはLNP2Lで止まっており、新しいNo26にもNo32Lにもそれほど食指は動きませんでした。性能や音の以前に姿形が好みではなかったのですね。

そんなNo32Lですが、友人の機体が調子悪いと相談をうけ、点検させていただくことになりました。

調べてみると、右チャンネルのネガティブ出力からDC-12Vが出てきます。アンバランス出力はポジティブ側しか使っていないので、一応は正常に信号がでてきますが、アンプ出力から電源電圧に近いDCが出てくるなど、もはやDC漏れの次元ではありません。

修理を試みるべく、キャビネットをあけてはみましたが、すぐに断念しました。

No32Lのアンプ回路は二階層になっており、基板単体で動作するインフラを構築しないと、通電して信号を入れながらの検査が出来ません。そもそも、回路部品も大量にあり回路図なしで手を付けるのは蛮行とも思えます。時間と費用をかければ、もちろん対応できると思いますが、それはオーナーのためにならないと判断。早々にキャビネットを元に戻して信頼できる専門家に修理依頼することにしました。


真っ先に思い浮かんだのは、私の再起不能と思われたマッキントッシュMC2600をリーズナブルな修理代で完璧に直してくれたハイファイ堂です。ハイファイ堂はご存じのように中古製品を扱う老舗ですが、自社内に凄腕のリペアマンがあおり、買い取った製品に不備や動作不良があれば、きちんとした整備をして販売してくれる、非常に稀有な中古屋さんなんです。それにハイファイ堂から購入した機体に限らず、海外の高級アンプなどでも修理に応じてくれる頼もしいお店です。

早速、打診するとNo32Lの修理はたくさんの実績があるので、きっと対応できるはずと頼もしい回答をいただきました。

友人の了解をえて、ハイファイ堂に修理をお願いし、極めて短期間で修理対応していただきました。



今日、修理が完了したNo32Lが弊社に届きましたので、受入検査です(笑)ハイファイ堂で直してくれたので全く心配はしていませんでしたが、アンプの計測が趣味なので(笑)

ゲインバランスも歪もパーフェクトです!まるで測定器のような性能ですね。あらためて、No32Lがいかに高性能で優れたプリアンプであるのかを思い知りました。




早速、DVAS Model1とModel2に組み合わせてレコードを聴いてみます。いつもはC52なんですが、No32Lはどんな感じなのか?


いやあ、素晴らしい!


人様のシステムに組み込まれた状態では、何がそのプリアンプの音なのかは、正直、よくわかりません。しかし、こうして自社のテストベンチに組み込んで聴いてみると、その素性がとてもよく理解できます。


克明で切り立つような音です。そして濃密なんですね。存分にワイドレンジでありますが、薄い印象が皆無。分厚いという表現ではなく、基本的にはクールです。でも、冷たくはない。人肌のぬくもりもあり、血の通った音です。これはやはりLNP2Lによく似ています。


C52も現代のアンプですから、ワイドレンジで繊細な音への対応ももちろんしっかりしています。しかし、比べるとやはりマッキントッシュならではとも言いたいゴージャスな響きがある。No32Lの音は少なくともゴージャスではありませんが、ここにはそれを補って余りあるパーフェクショニズムを感じます。



やはり、システム全体に占めるプリアンプの役割は非常に大きいですね。弊社でもいろいろなプリアンプとModel1、Model2を組み合わせて音を聴いていますが、プリアンプの選択をオーナーに委ねたModel2の開発方針は、やはり正しかったと自画自賛しております(笑)

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