ようやくアンプ回路を内蔵した、全機能がアクティブとなるModel3のヒアリングテストを開始しました。といっても、まだアッテネータは最終仕様ではないため、現状での課題の抽出が目的です。
実際に全機能を使ってみると、音質以外にもいろいろな課題が見えてきます。まあ、いいか?と思える部分もあれば、これはダメだろ。。。的な課題まで日々それを抽出し、対策を講じています。
組み合わせる装置もJBL OLYMPUSを中心とした4ウェイマルチアンプやマッキントッシュXRT20を中心としたシステム、さらにマジコA3を中心としたシステム、もちろんDVAS Model2との組み合わせ試験も実施しています。
バランス接続やアダプタを使ったアンバランス接続など、様々な条件で不具合がないかを確認しつつ、各システムでの音色をチェックしていくわけです。
どんな音なのか?と問われると、これが非常に説明がしにくい。システムの系に入っている他社のプリアンプとの比較をしているわけですが、他社のアンプはこういう音!のような説明もそれなりにできます。でも、Model3はなんといっていいのか、「普通」としか言えないのです。Model1やModel2で構築してきた自分にとって違和感のない回路、構造、素材を投入しているわけですから、そういうもろもろの集大成の結果が、自分にとって透明な音のアンプになるのは自明の理なのかもしれません。
一方で、ただ「普通」では高付加価値のエビデンスとしてはいかにも弱い(笑)
Model1でもModel2でも、組みあがった最初の一音で「これは凄いぞ!?」と思えるゾワッとするような音がしました。このゾワっとした感触があると、これはリリースする意味があると確信できるのです。
Model3はそのゾワっを感じるために少し時間がかかりました。
詳しくは商品リリースの段階でお話したいと思うのですが、部材調達の関係で、本来の仕様とは違う形でヒアリングをしていました。アッテネータ以外にもあるんかい!という突っ込みはご容赦いただきたいのですが、そのあることがらがゾワっを制限していたのですね。で、鳴らし始めてからしばらくたったタイミングで、素材が手に入りそれを組み込みました。
そこで鳴らしたサウンドにはゾワっが出てきたと、そういうわけです。
新規設計したアンプも想像以上の高性能で、DVASの基準測定器であるオーディオプレシジョンAPx515の測定限界が見えてしまいます。このアンプの真価を測定するためには最高級機のAPx555が必要かもしれません。さすがにAPx555の導入はハードルが高いので、何か他に策がないかとちょっと模索をはじめました。私は音が良いのは当然として、できれば静特性もよいほうが気持ちが良い。とはいえ、性能を優先して音を犠牲にするようなことはしません。音と性能、どっちかを選べと言われたら迷わず音を選びます。Model3は性能面でも音質面でも自信をもってリリースできそうです。
ソースもデジタルディスク、Qobuz、リッピングファイルのデジタル音源はもちろん、Model1Bによる光カートリッジやMC、MMを使ったレコード再生、さらにFMチューナーやナカミチやルボックスのカセットデッキ、ナグラのオープンデッキによるテープサウンドなど、さまざまな音源を使ってテストをしています。
中でも重宝しているのがQobuzのプレイリストに入っている、高音質音源を集めたプレイリストです。自分のスタンスで音楽に接している限り、出会うことがなかったであろう素晴らしい音源がたくさんあります。それらがエンドレスくらいの感じで再生できるわけですから、これ以上のテストソースはありません。何しろメディアは劣化しないし、光ピックも劣化せず、針もヘッドも減りません(爆)
今の課題を解決し、最終仕様のアッテネータを搭載後、音質が確定できればいよいよ正式に発表できると思います。
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