top of page
dvas9900

DVAS本社試聴室をご紹介いただきました


本日発売の無線と実験2023年11月でDVAS本社の試聴室をとりあげていただきました。このページの前にはMJズームアップコーナーでModel2もご紹介いただいております。岩井先生に記事を書いていただきました。


2019年の春にステレオサウンド210号でご紹介いただいたときに比べて、スピーカとデジタルプレーヤ以外は総替えみたいな状態です(笑)


この機会に、少しDVAS本社の装置のお話をしたいと思います。


スピーカーのJBLオリンパスS8Rは私とほぼ同い年のスピーカです。オリジナル状態ではなく、エンクロージャ内にはLE15AとPR15のみが実装されており、375は537-500と組み合わせ、075はホーンを砲金製に換装し、花梨材で一体型スタンドを作り、エンクロージャの上に置いています。各ユニットの配置は敬愛する菅野沖彦先生の完全なパクリです。もちろん、いろいろな配置を試しましたが、見た目のバランス、音質のどれをとってもこの配置が最善でした。このスピーカは昔から使っているわけではなく、導入したのは2016年の7月です。それまではATC SCM100Pを長い間使っておりました。さらにその前はJBL4343、ティールCS3.6、マーチンローガンCLSⅡZという節操のないスピーカ遍歴をしてきました。オリンパスを導入したのは、当時愛用していたリアルサウンドラボのCONEQという音響エネルギーを調整するソフトウェアとの出会いからはじまっています。このソフトウェアを使うことで、圧倒的なハードウェア力と美しいエンベロープを有するビンテージスピーカから、最新のハイエンドスピーカのような音が出せるのではないかと思ったのです。実際、CONEQの威力は絶大で、ビンテージスピーカでハイエンドサウンドを引き出すという私の目標は達成できたと思っています。そもそも、私は若いころからGEQやPEQを装置に組み込むことに何の抵抗もありませんでした。ですので、テクニクスのSH8075が発売されたときにもすぐにそれを手に入れ、装置の調整にあけくれました。もちろん、ペアとなる調整用ツールも同時に購入しています。まだ大学生のころですね。PEQやGEQのよる調整の有効性は菅野先生がことあるごとに発信しており、私もまったくもってそのとおりであると思っています。ですから、マッキントッシュXRT20がリリースされたときに、代理店の調整付きという大胆な販売スキームに感動しました。実際、XRT20を使うようになり、このスピーカは電気的な調整なしでは使いものにならないと確信しています。


CONEQはつい最近まで使っていましたが、今年になってアナログ式のクラークテクニックDN405に置き換えました。4343の時代に、ステレオモデルであるDN410を使っていましたが、当時の調整ツールの性能は不十分でPEQを調整しても、1dB変化が調整値に反映しませんでした。結局、この優れたPEQはその性能を活かしきることなく、手放してしまいました。再びアナログPEQに戻ったのは優れた音響調整ソフトが使えるようになったことが理由です。CONEQの測定はマルチポイントスキャニング方式という、ちょっと変わった方式です。仲間内では「お祓い」と言っていました(笑)

調整の最大の課題は測定マイクのほんのわずかの位置変化で、調整値が大きく変化してしまうことです。つまりロバストネスがないのですね。CONEQの測定はこのロバストネスが非常に優れており、一年前と今の測定値に寸分の違いもなかったなんて実例もあり、非常に驚きました。ただ、PC用の測定ツールは非常に進化しており、いくつか試した結果、スキャニング方式ではなく固定マイク方式でも、優れた演算によって、測定値のロバストネスがしっかりと維持できていることがわかりました。しかも、測定値がPEQの1dBの操作に敏感に反応してくれます。こうなるとスキャニング方式にこだわる理由がなくなります。また、CONEQの課題はハイレゾ領域まで帯域がないことです。デジタル演算しますので、周波数特性はサンプリング周波数で決まってしまいCONEQの場合には48KHzサンプリングとなってしまいます。だからといってハイレゾソフトの有効性が聴きとれないわけではなかったのですが、デジタル演算からアナログ方式に変更し、むしろ音質が改善したという友人のサウンドに触れ、私もアナログ回帰したわけです。結果的にはCONEQ時代と遜色のないサウンドを実現し、さらにハイレゾ帯域まで確保できましたので、精神的にも満足しています。


私のオリンパスは超低域にヤマハYST-SW1000を左右別に装備し(これも菅野先生のパクリ)、さらに075の上にファウンテックのNoePro5iというリボンツィータを組み合わせた5ウェイマルチアンプシステムになっています。チャンデバの調整はもちろん、左右の音響バランスを整えてハイエンドサウンドに挑戦するには測定を併用したチューニングは必須で、努々聴感だけでチューニングするべきではないと思っています。そのため、測定用マイクとして業界標準ともいえるアース&ワークスM30などもそろえています。


装置の要ともいえるプリアンプは古の名機、マークレビンソンLNP2Lですが、これも昔から使っているわけではありません。そもそも、このアンプが現役であった時代に、普通のサラリーマンの私に、このアンプを購入するような財力があるわけもなく。。。このアンプも縁あって、2020年の10月に導入しました。実は20年ほど前にLNP2(PLS150付のRCA端子モデル)を一年ほど所有していたのですが、当時の私の装置では、どうしても音の硬さが気になり、結局手放してしまいました。ですので、今のLNP2Lは私には二代目のLNP2Lということになります。本体、電源を含めて劣化部品をすべてオリジナル準拠のパーツに換装して使っています。メンテ前後での音質の差は絶大で、こういうビンテージアンプはメンテしなくては使う意味がないくらいに思っています。実際、オーディオプレシジョンで測定してみましたが、このアンプの性能は驚くほど優れており、特にフォノ入力のSN比は90dB以上あります。姿形、使い勝手を含めてこれからも長く愛用していくつもりです。


パワーアンプはいろいろと試してきましたが、現在は低域をNo20.5L、中域と高域はNo27Lというマドリガル時代のマークレビンソンに落ち着いています。当初は低域にアキュフェーズA50、中高域にはトーマンのハイコストパフォーマンスのパワーアンプを組み合わせていました。それから一年ほどの間にマッキントッシュのMC252やスレッショルドのステイシス3を入れたり、A50をもう一台追加したりと、目まぐるしく変化していきます。あるとき、プリはマークレビンソンであるのに、マークレビンソンのパワーアンプを一度もハンドリングしたことがないことに気づきます。これはやはり試してみるべきだろうと、No23Lを導入しました。このときには低域はステイシス3、中域、高域はA50を左右モノ使いしており、そのサウンドにはとても満足していました。しかし、ステイシス3からNo23Lに置き換えると、格段に音質が向上しこれまで聴いたことのないような低域再現力に舌をまきました。ここからオールマークレビンソン化が一気に進みます。ちょうどメンテナンス済のNo27Lがペアで販売されており、すぐにこれを導入。アキュフェーズのA50と置き換えます。ここにLNP2L、No23L、No27Lというオールマークレビンソン艦隊が誕生。しかし、それも長続きしません。No23Lがあまりにも素晴らしかったので、これがもしNo20L系のモノラル型ならば、どれほどのものなのか?という好奇心を抑えることが出来なくなりました。求めよ、さらば与えられんのとおり、すぐにメンテ済のNo20.5Lがみつかり、これを導入。No23Lとじっくり比較してから、どちらで行くのかを決めようと思っていましたが、No23LからNo20.5Lに換装した直後から、もうNo23Lは手放すことになりました。それほどNo20.5Lは圧倒的に優れていたのです。かくして、我が家のパワーアンプはNo20.5LとNo27L二台という構成に落ち着きました。

マドリガル製の2桁型名のマークレビンソンパワーアンプはMLAS時代の面影を残し、それをさらに洗練させたエンベロープと、ハイエンドらしいカッティングエッジ感、さらに大きなメーカー製ならではの安全に配慮した設計で、非常に気にっています。もちろん、LNP2Lとの相性も申し分ありません。

しかし、No20.5Lの発熱の凄さはやはり尋常ではなく、特にこの夏は酷暑でしたので、電源を入れる機会はあまり多くはありませんでした。もっぱら別室のマッキントッシュシステムで音楽を聴いていました。


チャンデバも菅野先生のパクリでSONY TA-D900を愛用しています。このチャンデバはJBL4343を使っていた時にマルチアンプ化のため一度手に入れましたがJBL4343を手放したときに、二度とマルチアンプシステムに戻ることはないだろうと、一緒に手放してしまいました。ですので、このチャンデバも私にとって二代目のTA-D900です。初段のFETが劣化してノイズをだすケースが多く、私の機体ものノイズを出すようになってしまいました。今でもなんとか入手できるデバイスですが、私は今後も安定に入手できるだろう別の品種に置き換えています。オーディオ用のデュアルFETは世界的も新型が発表されることがほとんどなく、ほぼ市場在庫のみになっているのが、製品化のネックになりますね。もっとも、全くないわけではなく、東芝やTIにはまだ現行のオーディオ用デュアルFETがあります。

オリンパスになってからチャンデバは業務用を中心に何機種か試してきましたが、TA-D900の音の透明感、SN感などはやはり非常に優れており、クロスオーバーもわかりやすく、ボリュームも1dBステップのアッテネータですので、調整のロバストネスも非常に優れています。指の皮一枚の調整はできませんが、私はそういう不安定要素よりも、確実に再現性のある調整ができるTA-D900にシンパシーを感じます。


こんな調子で書いているといつまで終わりませんの絵、今回はここまでといたします。


ソース機器などについては、また、別の機会に。。。





閲覧数:180回

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page