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Argent XLR Cable試作してみました

更新日:2023年7月25日


先に発売した純銀単線を導体としたAregnt Phonoケーブル、OTOTENとMJオーディオフェスティバルでもお客様に聴いてもらうことができました。ただ、お伝え出来たのは総合的な音質であって、Argent Phono単体の音を体験いただくことはなかなか難しいですね。とはいえ、持ち込み試聴であれば現在お使いのケーブルから入れ替えてのAB比較が可能です。ケーブル単体でのご試聴はご容赦いただきたいのですが、Model1と込みであれば同時にご試聴いただくことが可能ですので、ぜひお問合せください。


ケーブルは装置の状態が良くなればなるほど、最終的な音質を左右する大きな力をもっているということを、ここ数年、実感することが多くなりました。安価なケーブルでももちろん音は出ますが、ある思いを込めて誠実かつ真摯に作られた高級ケーブルには、それならではの説得力があり、イコライジングではどうしようもない質的な変化を装置にもたらしたりします。


フォノケーブルはDVASとしてのリファレンスケーブルを完成することができました。Model1にとってはベストパートナーであると自負しておりますが、では出力のXLRケーブルはどうなのか?ここにも銀導体のケーブルを含めて弊社も複数のXLRケーブルを所有しており、都度入れ替えながら製品の音質確認をしております。しかし、ケーブルの支配力を実感すると、何でもよいというのはちょっと無責任な気もしてきました。


そこで、XLRケーブルを試作してみました。


Argent Phonoと同一の純銀単線+PTFE絶縁による導体を3本使っています。製造上の問題から長尺ものの作製が困難なため、長さは1.2mです。1mだとちょっと短いけど1.5mはいらないみたいな例が結構多く、案外1.2mというのは使いやすい長さだと感じます。

コネクタはRCA同様AECO製をチョイス。XLRコネクタのデファクトスタンダードと言っても過言ではないノイトリック製の接点はコネクタのタイプによって差はありますが、青銅または真鍮製です。接触の安定性、繰り返し挿抜での耐久性などを考慮して選定された素材であることは容易に想像できます。プロ用としては最も重視すべき性能だと思います。一方で、コンシューマ用として考えたときにちょっと気になるのは導電率です。ざっくりとした数字ですが、純銅を100としたときの導電率は真鍮が26~43、青銅は10~26となっており、銅を使った合金ではありますが、両者とも純銅に比べると導電率はかなり低くなります。耐久性を無視することはできませんが、もう少し優れた導電率の接点を持つコネクタはないか?いろいろと調べた結果、AECOのXLRコネクタにたどり着きました。AECOのXLRコネクタはテルル銅という銅合金を使っており、導電率は参照する資料により若干の違いはありますが、93以上あるようです。ちなみに純銀は108となっており、これは全金属中、もっとも高い導電率です。だから純銀接点のXLRコネクターがあればベストなのですが、これだけ製品がある中でも、そういうコネクタはありません(少なくとも私は知りません)ので、このAECO製がもっとも優れた導電率の接点を持つコネクタと判断しました。


シールドの有無も音質に大きく影響します。世の中には厳重なシールドを売りにしたケーブルも多数あり、そこにはきちんとした科学的な根拠もあるのでしょう。一方で、私が試した限りラインケーブルのようなインピーダンス系で使われる場合、シールドが無い方が音がのびやかで好ましいことが多かったです。バランスケーブルは二芯シールド構造のケーブルを使うことが多いようですが、Argent XLRではシールドなしの三芯構成としました。各導線を縒るかどうかでも音質は変化します。今回は単純に平行にして外皮で包むだけにしました。


現在、試聴を開始しておりますが、私がこうあってほしいという音に、やはり近いように感じます。


これからフィールドテストを続けて、結果がよければ製品としてリリースしたいと思っています。


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