以前、音質上の違いが大きいためModel1のインシュレータは3点支持に変更したという話をブログにアップしました。Model2に関してもこの問題に答えを出す必要があります。
ただ、直接スピーカの音圧をうけるのことのないヘッドホンアンプでは、インシュレータの違いによる音質差は、それほど大きくはないないだろうとも考えていました。
量産品が完成し、いよいよロールオフまであとわずか。現在は各種のデータ測定、信頼性試験などを鋭意継続中です。
音質的にはOTOTENやMJフェスティバルでみなさんに聴いていただいた量産試作モデルから、一層洗練された音質になっていると自負しています。Model2はDC構成のバランスアンプですので、DC検出や過電流保護回路は細心の注意を払う必要があり、その検証に多くの時間を割いてきました。
一方でヒアリングテストも鋭意継続しており、手持ちのヘッドホンとの総当たりで日々問題がないかの確認をしています。ドライバーの形式、インピーダンス、密閉、オープン等々、出来るだけバリエーションのある機種を選択して評価用のリファレンスとしていますが、すべてのヘッドホンとの相性を確認できるわけではないので、ユーザーのところでどんな音になるのか?かなりドキドキしています。
当然プリアンプも違いますので。
弊社の評価用プリアンプはマッキントッシュのC52が基本ですが、ジェフローランドのコンセントラもプリとしてModel2と組み合わせ、音質の差を評価しています。Model2は市販のRCA-XLR変換プラグを使えばアンバランス出力のプリアンプとの組み合わせが可能ですので、マークレビンソンLNP2L、マッキントッシュC34V等とも組み合わせ試験を実施しています。
話がインシュレータに辿り着きませんね(笑)
Model1でのヒアリング結果から、インシュレータはアンプ基板の近くを最短で接地させた方が音質上好ましいという仮説をたてました。その理屈からするとModel2はリアパネルではなく、サイドブロックにアンプ基板を固定しているため、3点支持よりも4点支持にした方が、アンプとインシュレータ間の距離は大幅に縮まります。ならば、音質もその方が優れている可能性があります。つまり、三点支持が絶対ではないという理屈です。定量的な振動解析などができるわけではないので、ヒアリングで答えをだすしかありません。
早速、三点支持の底板と4点支持の底板を準備して、入れ替えて試聴をしてみました。
まず驚いたのはちゃんと違いが聴こえることです。スピーカの音圧にされされているわけではなく、ヘッドホンで聴いているのに。。。
結論から言うと、総じて4点支持のほうが好ましく感じました。もっとも大きな違いは音の深さというか余韻の長さですね。三点支持の方が切れが良いともいえますが、4点支持の方が演奏者の情感みたいなものが一層出てくるように感じる。
結果的には仮説が立証されたような形になりましたが、残念ながら技術的な裏付けを得るには至っていません。
少なからぬ差があることがわかりましたので、Model2のインシュレータは4点支持に決定しました。
しかし、つくづくオーディオというのは振動とうまく付き合うことが肝要なんですね。
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