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  • dvas9900

プリアンプの難しさ

注残をかかえていたModel2の生産もようやくめどがたち、Model3の設計を再開しました。


Model3はプリアンプになるとうことは、すでにお知らせしたとおりなのですが、どのような仕様で生産すべきか、毎日のように構想が変化しています。設計の手順は設計者によっていろいろあると思いますが、私はまず意匠設計から入ります。どの程度大きさにするのか?内部の構造は?パネルデザインは?などなど同時に様々なことを考えながら作業を進めます。


プリアンプのデザインでもっとも重要なのは、必要な機能と、その機能を操作するための操作系の配置になるかと思っています。


最低限必要なものは入力セレクターと音量ボリュームだと考えており、実際、その機能だけの製品は世の中に少なからずあります。DVASはこれまで、光フォノアンプのModel1とヘッドホン用パワーアンプと言えるModel2をリリースしてきました。どちらにもセレクターもボリュームもない、特にModel2は入力端子と出力端子しかありません。そういう単機能のアンプに比べて、どこまでの操作系を装備するのか?まず、そこが最大の課題です。


あれもこれもと欲張ってもアンプの大きさはある程度最初から決まっていますから、そこに入りきらないものではダメです。ツマミが多くなりすぎても、それをどうやってパネル面に配置するのか?だから機能とデザインは、実は密着なつながりがあるんです。昨今ではパネル面にツマミが一切なくて、タッチパネルを操作するプリアンプもリリースされており、かつてのように、パネル面に並んだツマミにわくわくしたメカフェチの私としては、一抹の淋しさを感じています。単純にタッチパネルのアンプを開発することが難しいという面もあるのですが、DVASが作るからには、ビンテージプリアンプのようにパネル面にツマミが並んだアンプを作りたいと考えています。


最低限必要な機能として入力セレクターとボリュームが必要といいましたが、まずはセレクターについてお話します。

写真は私の愛機である機械式入力セレクター搭載のマークレビンソンLNP2Lです。


入力セレクターは機械式と電子式に大別されます。機械式は単純にロータリースイッチやプッシュスイッチなどで、信号を直接切り替えるもの。対して電子式はリレーや半導体スイッチを制御して切替を行います。リレーが電子式かと言われるとちょっとグレーですが、ここでは電子式とさせてください。


Model3の基本的なアンプ回路の考えかたは完全差動アンプによる全段バランス増幅回路です。したがって、セレクターはアンバランスのように1回路だけ切り替えれば良いわけではなく、ネガティブ、ポジティブの二系統を一度に切り替えなくてはなりません。どのくらいの系統を切り替えるのかにもよりますが、多入力を切り替えるとなると、これを旧来の機械式スイッチでやるには大型(=高額)の高性能な切替スイッチが必要です。そういうパーツはもちろん世の中にはあって、それらを誇らしげに使った優れた製品もたくさんあります。これらを組み込むためには、大型の筐体が必要となり、アンプの規模としては大型化せざるをえません。私の単純な好みの問題なのですが、プリアンプはあまり大きくなってほしくないのです。だから、あまり大きなパーツは困る。


また、入力端子のすぐ近くで切替をしたい場合、シャフトの延長とか、それを支える機構とか、それらに付随する構造設計が必要となり、それもアンプ内の容積を減らす要因になります。そうして考えていくと機械式スイッチを使った入力セレクターというのはModel3に搭載するのは難しいという結論になりました。



写真はこれも私の愛機である電子式入力セレクター搭載のマッキントッシュC52です。


電子式の場合、切替に使用するデバイスは機械式リレーまたは半導体リレーということになります。ここで、話は私が長年愛機として使ってきたマッキントッシュのC34Vの話になるのですが、このアンプの入力セレクターはFETを使った半導体スイッチです。その一方でメイン基板には信号経路の切り替えに多数の機械式リレーを使っています。

最初に手に入れてからもう30年以上たちますが、入力セレクターはただの一度も接触不良(そもそも接触という概念があるのか?)を起こしたことがありません。これに対して機械式リレーはほとんどダメになりました。どうもこの体験がトラウマとなっており、私は機械式接点をあまり信用していません。

よって、Model3では機械式接点のない半導体スイッチを使ったアンプにしたいと考えています。半導体スイッチは音が悪いという記述もネットなどで見かけますが、私はC34Vの音を悪いと思ったことは一度もないし、それはより電子化が進んだ現在のC52でも同様です。

だいたいにおいて、半導体を否定してしまっては半導体アンプなんか作れなくなってしまいます。


入力セレクターを考えるときにもう一つ重要なのは、何系統を切り替えるのか?ということです。Model3はフォノ入力を持たないライン入力専用アンプとして考えているのですが、どの程度の入力数があれば良いでしょうか?

ユースケースを考える場合、知らない人のことを考えても何の答えもでませんので、自分自身の使い方を考えてみました。

フォノイコライザーは光用とMC用の二台は必要ですので、これで二系統。デジタル系はネットオーディオ用のDAコンバータとBDプレーヤで二系統、さらにテープデッキとFMチューナーで二系統、合計6系統あれば、不足なくシステムを構築することができそうです。テープデッキとFMチューナーを使っている人って今時少ないでしょうね。私の友人にもほとんどいません(笑)


次回はプリの最難関であるボリュームついてお話します。



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