Model1オーナーであるI様が愛用していたゴールドムンドのミメイシス2+のメンテナンスが完了しました。今日はその納品と、さらに最近導入されたクラウディオのトーンアームの取り付けのお手伝いです。
もともとSME3012RにDSオーディオのDS-W3を組み合わせておりましたが、あるご縁があり非常に程度の良いクラウディオの12インチアームが手に入りました。I様もリニアトラッキングアームには前々から興味があったとのことで、渡りに船とばかりに導入を即決したそうです。
付属品も含めて完璧な状態であり、また、元々SME3012Rが装着されていたテクダスのアームベースには一切の加工をすることなく、クラウディオのアームを取り付けることができます。当初はそのあたりが不明でDVASでアームベースの新規設計をすることになっていたのですが、設計を進めていく過程で、どうやらそのまま搭載できることがわかり、実機を組み合わせてみたら何の問題もありませんでした。
クラウディオのアームは治具が完備されてはいますが、そこかしこに独特の調整があり、少し難儀しましたが無事に装着を完了。
ミメイシス2+も調べていく過程で電解コンデンサのほとんどがダメージを受けていることがわかりましたので、全数を交換しました。もともとフィリップスとビシェイのコンデンサが搭載されており、できるだけそれに近い選択となるようにBCコンポーネンツとビシェイの現行品(オリジナルよりも高性能)に換装。もともとリレーのトラブルが原因でのメンテナンスでしたので、リレーもすべて交換しました。オリジナルはすでに入手不可能でほぼ同等品のパナソニック製もずっと前に廃止品となっていましたでの、現行品の中から代替え可能なタイプを選択しました。
調べてみて驚いたのですが、このプリアンプのアンプ部には±50Vという高電圧が印加されており、昨今の±15V程度の設計とは全く違うことがわかりました。また、回路に使われている唯一の無極性コンデンサはオリジナル品は信頼性の面でかなり問題のあるパーツであり、40年の使用には耐えません。実際、もっとも劣化が激しかったのはこのパーツであり、ここにも現行品の高信頼性パーツを投入しました。部品交換総数は数十点に及びましたが、左右チャンネルの周波数特性差、入力ごとに異なるゲイン設定などもすべて修正しました。実測データも申し分ありません。
カートリッジを含めた調整も完了し、早速、音を聴かせていただきました。
SME3012Rも優れたアームではありますが、光カートリッジと相性はやはりクラウディオの方が一枚上手のようです。
音の広がり、安定感に優れ、エネルギッシュで音が溢れるように出てきます。SME3012R用に導入いただいた純銀ケーブルArgent Phono RCA-RCAも、新しいアームを相手にその能力をいかんなく発揮しており、I様のオーディオ演奏に一役買っているようです。
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